近しい方からは全然登場しないじゃないかと批判を受けている猫の光圀です。勿論批判を受けているのは私ですが、こいつは写真に撮られると魂を吸い取られると信じている節があって、カメラを向けると逃げるので眠っているときにしか写真が撮れない上に、真っ黒だから眠っていると黒い塊でしか無く、登場のさせようが無いんです。珍しく目鼻の写った写真が撮れましたが、タスマニアデビルと区別のつく方がどれだけ居るでしょうか。
それに、7歳を過ぎた人間嫌いの猫なんて話題も生みませんし。私も長年に亘り猫を飼い続けてきましたが、こんなに人に懐かない猫は初めてです。さすがに気が向いたときだけは私に身体を擦り付けてゴロゴロするようになりましたが、他に接触の無い(接触を許さない)猫を記事にするなんて不可能です。この子だってもう少し人懐っこかったらもっと可愛がってもらえるのに。
その点、犬は良いですね。何歳になっても能天気にはしゃぎ回ってくれるので話題の宝庫。ただ、真っ黒だと写真写りが悪いのは犬も猫も同じみたいで、黒ラブ盲導犬ニーシャちゃんの飼い主さんが嘆いておられました。
そんな写真写りの良いエルデの散歩を、今日は休む予定でいたのです。昨夜から強風がゴーゴーと音を立てて吹いていて、とてもじゃないけど歩けないよって。ところが朝起きたら音がしません。窓から外を見ても庭木の枝が揺れていません。これじゃぁ休む訳にいかないじゃありませんか。渋々支度をして散歩に出て、暫く歩いているとまた強風が… 偶々風が弱まったタイミングで目が覚めてしまったんですね。
でも、そのお蔭で新しい出会いに恵まれました。風が強いのでいつもはあまり歩かないルートでショートカットしたら、沿道の薬局から女性が出てきて、「ちょっとワンちゃんに触っても良いですか?」と訊かれたのです。何と彼女は時々前を通る我々の姿を見掛け、声を掛けたいとずっと思っていたんですって。
彼女自身もラブラドールを飼っているそうで、ズボンが毛だらけになるのも厭わずエルデを抱きしめていました。これだけ濃厚に奉仕してくれる人は滅多に居ないので、さぞやエルデも満足したことでしょう。偶々シャンプー直後の、フローラルエルデで良かったと、心の底から思いました。
良かったね、エルちゃん、優しいお姉ちゃんに出会えて。また時々あそこを歩こうね。但し、その前にはシャンプーするよ。
そんな散歩の途中で、梅の花が咲いているのを見付けました。そろそろ大寒ですが、つまりは寒さの底。いよいよ春に向かい始めたんですね。と言うほどこの冬は寒くありませんでしたが。