奥さんはしきりと「長崎に居たときよりニコの目付きが穏やかになった、あの頃はもっと不安そうな目をしてた」と言うのですが、どう思います? 私にはそんなに違いがあるようには思えないのですが。
要するに、我が家にやって来た当初と現在の目付きが違うってことでしょ? そう思って撮り溜めた写真を見返してみたのですが、不安そうだったり怯えた様な目付きもしてるけど、楽しそうだったり、ズルそうだったり、今と変わりはありませんけどねぇ。
だって、ニコは未だに我々に対して怯えや不信を抱いているのは間違い無く(一番判り易いのはオヤツをやろうとすると後退りすること)、生活環境や生活習慣には慣れたけど、メンタリティーは我が家にやって来たときとそんなに変わってはいないと思いますよ。
仮にニコの年齢が3歳で間違いが無いとして、どんな経験をしてきたか全く判らない3年間を、たった4ヵ月で塗り替えるなんて無理な話でしょ。
じゃぁ何の変化も無かったのかと言うとそんなこともなく、我々にも慣れてきたし、我々のことを好きになってきたのも間違い無いと思います。
例えば散歩中、クンクンしているニコの後ろから時々尻尾を掴んだり、背中に触ったりするのですが、何の反応も示しません。以前だったら飛び上がって逃げていたでしょう。
例えば甘えん坊タイム、多少手荒に扱ってもニコは尻尾を振っていますし、抱き上げて裏返しにしても、そりゃ裏返しにされるときにはジタバタと暴れますが、裏返してしまえば大人しく、お腹を撫でてやるとウトウトし始めます。
例えば昼間、以前は居間に置いた毛布の上を動こうとしませんでしたが、最近は私の傍に寄って来て横になることも増えました。
我々が買い物等で出掛け、帰ってくるとニコが出窓で待っているようにもなりました。ここはエルデの定位置で、私が外に出ると決まってここに寝そべり、私の帰りを待っていたものです。
ただエルデと違い、ニコは私がカメラを向けると顔を背けます。おいおい、それじゃ写真が撮れんじゃないか。犬なんだから、飼い主の意を汲んでポーズを決めなさい。