自家製アイス、それは涙の味

 唐辛子粉砕用に買ったミキサーに付いていたレシピ本に、アイスクリームの作り方が載っているのです。材料を放り込んで攪拌し、後は凍らせるだけって。が、しかし、アイスクリームって細かい気泡を含ませることで柔らかくしてるんでしょ? 攪拌して泡立てることは出来るけど、そんなの凍るまでに抜けちゃうんじゃないの? そう思って調べてみると、ネット上にも多数のレシピがUPされているんですね、ミキサーアイスの。

 ということで、作ってみました、ミキサーアイス。

アイスクリーム_2015_04_19_1

 して、そのお味は。と、その前に、このアイスに纏わる、涙無くしては語ることの出来ない物語をお話ししましょう。

 アイスクリームの原料なんて、基本的には生クリームと卵、そして砂糖と香料だけなんです。それだけであのハーゲンダッツを再現するには、生クリームの力が大きく物を言うということくらい、誰にでも推察出来ますよね。で、私は、スーパーの棚に並ぶ数種類の中から、モンドセレクション金賞受賞の「中沢フレッシュクリーム45%」を選んで買ってきました。

 材料が揃ってしまえばもう出来たも同然。ミキサーの中に先ず生クリームを注ぎ込み、ミキサーの縁で卵をコンと割って… 

 あの、話しはちょっと変わりますが、卵を割ろうとして「あれ、なんか手応えが弱いぞ、ヒビが入っていたのかな?」って感じることは偶にありますよね? 私がミキサーの縁で卵をコンと叩いたときの感触が正にこれで、しかも、その脆さ故か、コンと叩いただけで殻がパカッと割れ、アッと思う間もなく卵がミキサーの中に落ちてしまったのです。

 しかもしかも、その卵が受精卵だったようで、生クリームの中に浮いている卵黄には生長を始めたと思われる胚までもが… アイスクリームは加熱せずに作るので、ヒビが入ってサルモネラ菌に汚染されている可能性の有る卵を使う訳にはいきません。何とか卵だけを取り出すことは出来ないかと考えても、ミキサーの刃が刺さった卵を除去できる筈も無く、泣く泣く捨てることになりました。中沢フレッシュクリーム45%ごと。

 ところが、悲劇はまだ終わりません。一度湧き出た創作意欲は簡単に鎮まらず、近くのドラッグストアに生クリームだけ買いに出たのですが、そこには植物性油脂を使ったものしか置いてないのです。作るのを諦めるか、再度スーパーに買い出しに出掛けるかで悩みましたが、まぁ今回は実験だからとスジャータを手に取りました。

 という大騒ぎの末に出来上がったこのアイスクリームですが、先ず味が水っぽい。そして固い。器に盛られたアイスクリームが何故三角形なのかと言うと、温めたスプーン程度では掬い取ることが出来ず、塊を包丁で切ったからなのです。総合的に、どちらかと言うとジェラートみたいなアイスクリームでした。

 その原因が生クリームだけにあるのかどうかは判りませんが、純生クリームを使ってもう一度作ってみましょう。そして、ミキサーを使わずに作る方法も思い付いたので、それも試してみましょう。暫くはアイスクリームで遊べそうです。

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