ニコ、「素直に雑種で良いじゃないですか」

　雨ですよ。朝からずっと冷たい雨。嫌ですねぇ～　エルデのときには「エルちゃん、今日は雨だから散歩は無しだ」で済んでいたのに、ニコが庭でトイレをしないばかりにこの難行苦行。ま、こんな生活も３年目ですから、もうすっかり慣れてしまいましたけどね。

　問題はこの雨が夜の間に大雪に変わるという予報も出ていること。気温が高いので積もるようなことはないだろうと考えていますが、一度積もってしまうと何日にも亘って散歩に支障が出てしまうので、嫌ですねぇ～

　そんな雨の日にも良いことはあります。それは、他のワンちゃんとの遭遇確率が下がり、ニコの引っ張りが弱くなるので心穏やかにいられること。実はニコ自身も雨は嫌なんですよ。今日みたいなショボショボ雨でも引っ張りが弱くなりますし、雨が強くなるに従って歩みが鈍くなるので判ります。嫌なら散歩しなけりゃ良いのにと思いますが、それでも散歩したいという気持ちの方が強いんでしょうね。

　そんな雨嫌いの犬を連れてトボトボ歩いていると、暇なので頭の中を様々な考えが駆け巡ります。で、ニコの犬種問題を解決する妙案が閃きました。「犬種は何ですか？」と訊かれ、「元野良犬なので誰にも判らないんですよ」と答えるのにも厭きましたので、次からはコーイケル・ホンディエと答えることにします。ええ、大谷翔平が飼ったことで有名になった、あのコーイケルです。「あれ、もっと毛が長くありませんでしたっけ？」と問われたら「この子はスムースコートなんです」と答えれば済むことですし、「随分と大きいんですね」と指摘されたら「大谷のはまだ子犬ですから」と切り返します。実際のコーイケルは成犬でもニコの半分しかないのですが、な～に、どうせ実物を見たことのある人なんか居ないんですから。

ニコ、「お父さんはライオンでした」

　また今日も犬種は何かと訊かれました。まぁ他人様のワンちゃんを「雑種ですか？」と訊くのはウチの奥さんくらいなものだとは思いますが、どこからどう見たって雑種でしょ？　いちいち説明するのも面倒臭いので、もうその質問は止めて貰えませんかね。

　よく言われるのがやっぱりピットブルですが、ボクサーという声もよく聞きます。ボクサーって具志堅用高が飼っているあのバカ犬ですよ。鼻ペチャのボクサーとは全く違うと思いますが、それもこれもこの特徴的な柄の所為でしょう。試しにニコの顔を左右対称の柄にしてみると・・・

　ぅわ、気持ち悪い。でもどうです、完全に雑種じゃないですか。ついでにグーグルレンズさんにお伺いを立ててみると、下されたご託宣は「アメリカンスタッフォードシャー・テリア」。う～ん、ピットブルみたいなものか。確かにこういう柄も多いもんなぁ・・・

　という犬種問題なんかどうでも良いのですが、ここに来てニコの身体に変化が生まれました。耳の下から胸元にかけての一筋だけ毛が長くなってきたんです。貧弱な鬣的に。冬仕様なんでしょうか。防寒対策としては甚だ心許無いものですが、裸みたいな短毛犬のせめてもの抵抗かも知れません。

　その裸犬、ファンヒーターの前がすっかり定位置になってしまいました。それも２０cmくらいの距離で熱風を浴びながら寝ているので、火傷しないのかと心配になってしまいます。ファンヒーターの前にお座りして目を細めている姿はなかなか可愛いのですが。

　それにしてもこれだけの寒がりが、いくら山梨より暖かい長崎とは言え、冬の野良生活はさぞや辛かったことでしょう。考えただけでも可哀想になってしまいます。ニコ、もうそんな辛い思いはさせないからね。