GoTo食道楽旅行、1日目

  ということで、行ってきました、静岡旅行。といっても西伊豆ですので、山梨県民にとってはお馴染みの、もっとハッキリ言ってしまえば特に魅力も感じない場所なのですが、1泊2日のドライブ旅行となればそう遠くまでは行けませんし、我々の旅行の目的の殆どは「食」、それも「海の幸」に惹かれる部分が強いので(何と言っても海無し県民ですので)、旅行サイトと首っ引きでとにかく料理が美味しそうで部屋食の旅館を選んだんです。

 そう、この「部屋食の旅館」っていうのは新型コロナ対策です。本当は都市部のホテルに泊まって飲食店をハシゴする方が楽しいのですが、今はそんなことすらし難いですからね。

蕎麦_2020_10_26_1

 そんな食道楽旅は、以前から気になっていた十割蕎麦の店、「十割亭」での昼食から始まりました。海の幸にも弱いけど、蕎麦にも目が無くて、出発もこの店の開店時刻に合わせたんです。でも開店と同時に入店して正解でした、続々と客が入って来て、アッと言う間に満席になってしまいましたから。

 我々が注文したのは「一番粉を使った色の黒い」南部と、「石臼そばと更級そばを半々の」縄文そば、そして「自家挽きの挽きたてそば粉で打った」石臼そば(新蕎麦)のざる。結論から申せば蕎麦の香りも味も弱いけど歯応えは良く、そこそこ美味しいとは言えます。ただ量が多い。本格的と自負する店ほど量が少ないという法則に従って3枚頼んだのですが、お腹がいっぱい。これが道中に暗い影を落とすことになろうとは…

紅葉_2020_10_26_2

 台風の心配がほぼ無くなり、天気が安定し、そんなに寒くなる前にという条件で日程を選んだのですが、それは当たりました。まだ紅葉には早いけど穏やかに晴れ、車の中だと暑いくらい。途中の朝霧高原で道の駅に立ち寄ったときには少しだけ肌寒く感じましたが、それでもジャケット1枚で十分でした。

 朝霧高原と言えば酪農も盛んで、搾りたて生乳の1本、ソフトクリームのひとつも楽しみたいところなのですが、なにしろお腹がいっぱいで入りません。ましてや旅館で一番豪華な食事が待っているのですから。

 もうひとつ困ったのが脚の疲労。長距離運転したことのある人ならお解りでしょうが、アクセルやブレーキペダルの上で足を持ち上げ続けているので、右脚の脛部分の筋肉が非常に疲れるんです。十数年ぶりの長距離ドライブで「あ~これこれ」と思い出しましたが、今回は筋肉が鈍っていたからか酷く、仕舞いには度々脚が攣る始末。これには参りました。

港_2020_10_26_3

 そうして辿り着いたのが「やぎさわ荘」。鄙びた漁港の傍に建つ小さな温泉旅館です。漁港と言っても小さな釣り船が浮かんでいるだけで、旅館の人に訊いたら「昔から漁なんかやっていない」とのことでしたが、まぁそんな只の田舎でした。

 そんなことより大事なのは食事。部屋に着いたら先ず除菌シートであちこちを拭きまくり、別々の貸切風呂を占拠して汗を流ししている内にやっと空腹感も湧いてきて、いよいよその時を迎えました。

料理_2020_10_26_4

 ちびちび配膳されるので全容をお伝えすることは出来ませんが、船盛にアワビの踊り焼き、イセエビの蒸し物、海鮮鍋にステーキに蟹と、確かに豪華と言えるのでしょう。但し、出来合いのものを並べただけのものも多く、料理としては旅館の宴会料理の域を出ません。9室だけとはいえ、料理人ひとりではこれが限界なんでしょうかねぇ。魚介類が新鮮だったという以外に評価すべき点はありませんでした。まぁ、楽しくビールが飲めればそれで良いんですけどね。

 という具合に、持参したウイスキーを飲みつつ1日目を終えました。2日目の出来事はまた明日。